双極性障害

1.双極性障害とは、「脳」の病気です。

躁と鬱を繰り返すのがこの病気の特徴で、多くの人が心や性格の病気と思われがちですが、実は、その原因は脳にあります。
統計的には100人に1人がかかるため、誰にでも発症する可能性があると言えます。

双極性障害

 

2.双極性障害の種類

双極性障害は、「双極I型」「双極II型」があります。

双極I型 双極II型

激しい躁と、うつ状態があります。

双極I型

軽い躁状態と、うつ状態があります。

双極II型

 

 

3.うつ病とは別の病気です。

双極性障害は、うつ状態だけでなく、躁状態も交互に繰り返しやすいのが特徴です。
うつ病は、一般的にうつ状態のみが見られる病気です。

どちらに当てはまるかは、当病院の専門医にご相談下さい。

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4.双極性障害の治療

治療薬の種類

1.気分安定薬

気分安定薬が、双極性障害における基本となる薬です。躁とうつのそれぞれの状態の治療に役立ちます。

  薬品名 適応症





リチウム 躁病および躁うつ病*の躁状態
バルプロ酸

てんかん
躁病および躁うつ病*の躁状態

カルバマゼピン てんかん
躁病および躁うつ病の躁状態
統合失調症の興奮状態
三叉神経痛
ラモトリギン てんかん
双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制

*躁うつ病=双極性障害

 

2.非定型抗精神病薬

基本となる気分安定薬と合わせて、使われることが一般的です。
ドーパミンなど神経伝達物質に対して作用し、躁状態の治療に効果があります。

  薬品名 適応症








アリピプラゾール 統合失調症
双極性障害における躁症状の改善
オランザピン 統合失調症
双極性障害における躁症状およびうつ症状の改善

 

3.その他:睡眠導入薬

睡眠が治療には重要になります。眠れない方は、当病院の専門医にご相談下さい。

 

薬を組み合わせて行う治療

1.心理社会的治療

「家族療法」「心理教育」「認知療法」「対人関係・社会リズム療法」などがあります。

 

5.早期発見・早期治療

診断が難しい病気です

うつ病として病院にかかっていても、実は双極性障害だったというケースが多く存在します。
うつ病の診断・治療を受けているのに回復しない場合など、当病院の専門医にご相談下さい。

 

薬はきちんと飲みましょう

自分の判断で薬を減らしたり飲むのを辞めてしまうと再発したり副作用がでることがあります。
副作用が気になる場合には、当病院の専門医に尋ねたり、相談室をお気軽にご利用下さい。

 

家族のサポートが必要です

1.まず理解から始めましょう

病気のことを本人と家族が知り、専門医と一緒に治療にあたる気持ちを持ちましょう。
治療は継続しなくてはいけませんので、仕事や家事などのサポートを家族が行うことになります。
まずは、家族の病気への理解がなくては治療が継続できません。

 

2.うつ状態のときには休養を与えてください。

本人は怠け者だから動けないのではありません。
家族がかける言葉にも気を付けましょう。
「元気をだして」
「早く治って」
などは避けて、本人の気持ちが休まる言葉にしてください。

仕事や家事などもできるだけ負担が減るようにサポートしてあげてください。

 

3.躁状態の時にも感情的にならないで対応しましょう。

いつも以上にハイテンションになり、必要以上の買い物をしたり、仕事もプライベートも過剰に頑張ったりします。
これも性格を非難したりしないで、病気だと認識して対応してください。

 

命の危険を察知しましょう

家族だけでなく周りの方も、本人が自ら命を絶とうとする兆候があれば、早く専門医の受診を受けられるようにしてください。

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